胃を健やかに保つこと

2021.06.24

水が海に向かって集まる様に、飲食物の栄養も胃に向かって集められることから、胃は「水穀の海」と言われています。
ここで胃氣を生じ、この氣に脾が働き、それが元氣(氣の元)となって各器官・組織を動かす元になる為、脾胃は人体の母ともいわれているほど重要な働きをしているのです。

飲食物と氣

飲食物から後天的に得る氣の事を「後天の氣」といい、もともと生まれ持っている氣の事を「先天の氣(または腎精の氣)」といいます。
この「先天の氣(腎精の氣)」をはぐくみ育てるのは、生まれてから摂り続ける氣の「後天の氣」である飲食物となります。

古典に「万病の本は胃腸にあり」と言われているように、治療の基本は脾胃を整えることにあります。
ですが、根本的には食生活がその人の体に合っているかどうかが問題となってくるのです
脾・胃に障害が起こったら、鍼灸施術も大事ですが、何よりも飲食生活の見直しが重要になってきます。

 

食生活では「質」・「量」・「時間」の三原則があります。

個人の体質・体力・消費量・年齢などの条件をふまえた上での、適・不適が脾胃を健やかに保つか否かのカギを握っているといえます。

質の問題は、五味「酸・苦・甘・辛・しょっぱい」を季節に合わせて適切にとることが重要です。
例えば春に「辛」ものを多く摂りすぎると、五行相剋(ごぎょうそうこく)関係から「金剋木(きんこくもく)」という状態になり、肝臓を傷めます。

量についての過不足は一概に言えませんが、若いうちは少しくらい多めにとっても消化できますが、40歳代に入ると脾胃の消化の力が弱まります。
肺旺体と言って肺の力のほうが強くなるので、大気中から栄養素を摂ると言われており、その分脾胃から栄養を摂らずに済むので、飲食物は少なくするのが良いと考えます。

時間

時間的には、脾胃が旺盛な時間帯が最適時間と思われがちですが、厳密にはそれよりもやや遅く、脾胃の余力が働く午後四時ごろが脾胃の力が十分に働く時間とされています。
ですから、なかなかその時間に食事とはいきませんが、早めの夕飯ならばその時間が最適かもしれません。

 

これらは食事の三原則を簡単に述べた形ですが、とにかく脾化作用(脾胃で元になる氣を作る作用)が上手くいかないと人体の各器官・組織に氣が回らず、腎精(力の源)を保てず、身体を健やかに保てなくなります。

ですから、いくら鍼灸施術で外側から刺激を人体に伝えても、脾胃を内側からも修復しないと、治療効果が半減してしまいます。

 

対処法の一つ

一つの方法として「絶食(もしくは断食)」があります。
絶食というと身体が栄養不足になって動けなくなるんじゃないかと思われがちですが、実は素晴らしい治療の一つで、体力が低下しているときは物を食べても消化が不十分になります。

しかし、病気になると一般的にかえって栄養分を余計に摂ってしまう傾向にあります。それを行うと脾胃の力を余計に使ってしまうので身体の負担になります。

ですから、少し胃を休ませることが重要になってきます。たとえ完全な絶食ではなくても栄養ゼリー飲料や消化の良いもので胃の負担を減らしてあげれば大丈夫です。
そうすることで腎の治癒力も上がってくるわけです。少し休ませるだけでもだいぶ違ってきます。

 

どうも梅雨の時期になると胃腸障害が出やすいという方や、夏の終わりごろの残暑の時期に体調を壊しやすい方は、脾胃の状態に目を向けて少し休ませてあげてください。
そして、並行して鍼灸の施術でも脾胃の調整を行うと良いと思います。

 

 

何か気になる症状がありましたらお気軽にご相談下さい^^

 

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