「肩こり」を東洋医学的に考える

2022.03.09

こんばんは!

東京の荒川区東尾久にある ふくろう針灸院 併設 整体ふくろうです!

 

今日は、肩こりを東洋医学的にどう考えているか、を書いていこうと思います。

 

そもそも肩こりって?

肩こりの定義は「日本整形外科学会」ではこう書かれています。


首すじ、首のつけ根から、肩または背中にかけて張った、凝った、痛いなどの感じがし、頭痛や吐き気を伴うことがあります。

肩こりに関係する筋肉はいろいろありますが、首の後ろから肩、背中にかけて張っている僧帽筋という幅広い筋肉がその中心になります。

日本整形外科学会-肩こり

 

上記のように一般的な「肩」だけではなく、背中や首も「肩こり」としてまとめられています。

症状が肩の上の部分だとしても筋肉の関連性を見ると他の部分も関係しているので、施術の際には一部分だけではなく他の部位も施術することが必要だと考えます。

 

東洋医学的に考えてみると?

そもそも、東洋医学には「肩こり」という考え方はありません。

ですが、肩こりの状態(どんな凝り、痛みの感じか)、どうすると悪化したり楽になるか、他に症状があるか、ということなどから身体の中のバランス(五臓六腑のバランス)をみて施術することが可能です。

 

どんな凝り?痛み?

  • 張る・凝る・詰まる → 風寒侵襲、肝気鬱、気滞、血瘀など
  • つれる・縮こまる → 肝血虚、肝腎陰虚、心血虚など
  • 重さを伴う → 湿邪感受、気滞湿阻、痰湿、気虚など
  • 鈍痛、隠通(いんつう:我慢できる慢性の痛み)→ 脾気虚、心気虚、肺気虚、腎虚など
  • 激痛・刺痛 → 心血瘀阻

 

どうしたら良くなる?悪くなる?

  • 冷えると悪化、温めると緩解 → 風寒侵襲の可能性が高い(気滞、血瘀、気虚の可能性もある)
  • 同じ姿勢で悪化、動くと緩解 → 気滞湿阻、気滞血瘀、肝気鬱、肝血虚、気滞など
  • 疲労で増悪、休息で緩解 → 気虚を疑う
  • 腕の使い過ぎで悪化、休息していると緩解 → 肝血虚、気虚が多い
  • ストレス、目の使い過ぎで悪化 → 肝血虚を疑う
  • 気持ちの変化で増減 → 肝気鬱を疑う
  • 天気が悪いと悪化、天気が良いと緩解 → 気滞湿阻、脾気虚、痰湿に多い

 

他に感じる症状は?

  • 疲労、倦怠感など → 肝血虚、脾気虚、心気虚、肺気虚、腎虚に多い
  • イライラ感、頭痛、眼の奥の痛み、違和感など → 肝気鬱、肝陽上亢、肝血虚に多い
  • 歯ぎしり、歯の食いしばり → 肝気鬱、肝血虚に多い
  • 眼の渇き、睡眠障害、多夢など → 肝血虚を疑う
    ※不良姿勢 → 気虚を疑う

 

気、血の流れが悪くなり、それが五臓の働きを悪くしてしまい、結果、肩こりとして症状が出ると考えられています。

中でも「肝」に絡んだ不調として考える事が多いです。

肝は、眼や筋肉と関わり合いが深いため、眼の疲れ、筋疲労などから肝に影響を及ぼしていると思われます。

 

どういったことが原因かを探り、全体のバランスを整える施術することによって、身体の辛さにアプローチ出来るのが東洋医学です。

 

東洋医学の五臓六腑についてのブログはこちら
東洋医学の五臓(と六腑)

 

 

パソコンやスマートフォンの普及により、眼の疲れ、不良姿勢、筋疲労などで肩こりが増えていると感じます。

今の社会では、一種の現代病なのかもしれませんね。

肩こりに悩んでいる方は一度鍼灸施術も試してみて下さい。

 

 

肩こり以外にも、お身体の気になる症状・不調などがございましたら、お気軽にご相談ください ^^

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